店舗リフォームに使える補助金の要件|注意点と役立つヒント12選

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店舗設計・内装工事

店舗リフォームに使える補助金の要件|注意点と役立つヒント12選

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店舗リフォームでは大きな費用がかかるのに、自己資金を準備しなければいけないケースが多いため、補助金が活用できるとしたら大きな助けになるでしょう。そこでこの記事では、店舗リフォームに活用できる補助金制度の要件や今後の展望について解説します。

店舗リフォームを検討する際に押さえておきたい4つの重要な注意点や、店舗リフォームに役立つヒント12選も解説します。これからリフォームを検討される店舗やクリニックのオーナーの皆さまは、ぜひ最後までお読みいただき、計画の参考になさってください。

店舗改装・リフォームのメリット

店舗を改装すると耐久性が向上し、営業を継続できる期間が延びます。 さらに、老朽化した設備を交換し、エネルギー効率の高い機器を導入して省エネ対策を行うと、光熱費などのコストを削減できます。また、同業種の居抜き物件を活用したリフォームであれば、内装施工にかかる時間と費用を大幅に抑えて、効率的に改修できます。

1.入りたくなる・通いたくなる空間にできる

内装を店舗の商品やサービスに合わせてリニューアルすると、顧客にブランドイメージが伝わりやすくなり、魅力的な空間を演出できます。例えば、エントランスのドアの交換や外壁の塗装だけでも、イメージが変わります。また、「非日常的な癒しの空間」や「大人の上質な空間」など、思い切ったテーマ変更により、新たな顧客層の獲得や集客アップにもつながるでしょう。

改装中の店舗は、近くを通る人々の興味を引きつけ、リニューアルオープンの告知の際にも新しい顧客層を呼び込むきっかけになります。周辺の店舗の中でも、「新しくきれいな店舗」として認識され、競合店との差別化を図れるでしょう。

このように、新しくて話題の「入りたくなる・通いたくなる店舗」に生まれ変わる可能性を期待できるのも、店舗改装・リフォームのメリットです。

2.動きやすく働きやすいレイアウトになる

動線の見直しにより店内の移動効率が向上すれば、従業員の作業時間を短縮できます。ほんの数mでも動線が改善すれば、年間で考えると回転率に差が出るでしょう。また、自動精算機やデジタル管理を導入して業務を効率化すると、作業がスムーズになり、スタッフの負担を軽減できます。

3.客単価の向上

高級感を意識した内装にグレードアップするなら、サービスや商品の価値がより際立ち、価格設定を上げやすくなります。老朽化した店舗より、高級感がある綺麗な店舗の方が料金が多少高いとしても納得感があるでしょう。

快適なソファや落ち着いた照明などの工夫によって居心地が良くなると、滞在時間が長くなって客単価の向上も期待できます。結果的にお客様の満足につながるなら成功です。

反対に、満席が続いても回転率が低いために売上が伸び悩んでいる場合は、テイクアウト専用カウンターを設けたり、カウンター席を増やしたりして、回転率を改善するのも効果的です。これにより、売上の底上げも期待できるでしょう。

4.同業態の居抜き物件リフォームで初期コストを削減

飲食店の店舗リフォームでは、工事費用のうち約2~4割が厨房の施工費用にかかります。同業態の居抜き物件を選んでリフォームすると、既存の設備などを活用して初期コストを大幅に削減できます。

ただし、注意点として、物件の立地や退去理由を十分に調査する必要があるでしょう。例えば、前の店舗が立地の悪さを理由に閉店した場合、同じ問題に直面する可能性があります。

5.古い設備の交換で快適さと清掃性が向上

店舗の改装を検討する頃には、機器や設備もメンテナンスの時期を迎えていて、交換が必要な場合が多いです。清掃しやすい素材や設計を取り入れるなら、そうしなかった場合よりメンテナンスの手間を軽減して寿命を延ばし、故障を防ぎやすくなります。

例えば、拭き掃除が簡単なメラミン化粧板やタイルを使うなどして、清掃性を向上できます。特に、頻繁に清掃が必要な飲食店に関しては、メンテナンス性を重視しながら店舗のリフォームを計画し、専門家の意見を取り入れるなら、清掃の負担を軽減できるでしょう。

清掃性を重視したトイレリフォーム

「デザイン性」も大切ですが、清潔さは店を選ぶうえで重要なポイントですから、特に女性客が多い店舗は清掃性を重視したトイレリフォームを検討しましょう。清潔感のあるトイレは、来店客の印象を大きく左右します。

実際に、「水回り」のリフォームの中では、特にトイレが注目されています。後回しになりがちなスペースですが、トイレは清潔感が求められる設備であり、人気のある店舗はトイレまで気を配っているケースが多いのです。

トイレのリフォームでインバウンド対策?

2024年は訪日観光客数が過去最高を記録しており、外国人観光客を意識したインバウンド対策の重要性が高まっています。2024年9月の訪日外国人は2,872,200人にのぼり、8カ月連続で前年同月を上回る最多記録を更新しました。9月までの累計は26,880,200人に達し、早くも前年の年間累計25,066,350人を超えています。

外国人観光客は洋式トイレを好む

和式トイレは外国人観光客に馴染みがないため、訪日外国人から「洋式トイレの方が使いやすい」という声が挙がっています。ですから、洋式トイレへのリフォームは効果的なインバウンド対策の一環といえます。特に、観光地や外国人客が多い店舗では、洋式トイレへの改装を検討することで、より多くの来店客に快適な利用環境を提供できるでしょう。

トイレの清潔さの重要性

日本へ訪れた10代〜60代の外国人旅行者150名に対して、TOTOが名前を伏せて2018年に実施したアンケート調査によって、トイレの清潔さがいかに重要かが浮き彫りになりました。日本の観光地や周辺施設が「どのように整備されていないと訪れにくくなりますか?」という問いに対して、最も多かったのは「トイレが薄暗く、臭い」という回答でした。

逆に、「どのように整備されていると、また訪れやすくなりますか?」と尋ねたところ、2番目に多い45.3%の方が、「トイレが明るく臭くないこと」と回答しています。(複数回答)(公衆無線LANの整備:52.7%)

トイレの清潔さの重要性
清掃性を重視したトイレは清潔さを保ちやすい

「公衆トイレが整備され、清掃が行き届いているとどう思いますか?」という問いには、73.3%の方が「観光地のイメージが良くなる」と回答しました。(複数回答)

また、「トイレの清掃が行き届いていると、トイレをきれいに使おうと思いますか?」という問いには、合計82%の訪日外国人が「そう思う」と答えています。(「そう思う」:69%・「どちらかといえばそう思う」:13%)

訪日外国人だけに限らず、利用者の心理として「きれいなトイレは汚さないようにしよう」と思います。清掃性を重視したトイレリフォームをすれば清潔さを保ちやすく、スタッフの清掃も楽になるでしょう。

【TOTO 訪日外国人旅行者アンケート調査】
調査時期:2018年7月
調査方法:京都市内での街頭調査
調査対象:10代〜60代の訪日外国人:150名(男性71名/女性79名)
出身地域:東アジア・東南アジア・欧米豪から各地域50名
TOTO 訪日外国人旅行者アンケート調査 2018年7月より抜粋

店舗リフォームの重要な注意点

店舗リフォームを成功させるためには、事前の計画や法令遵守、予算の確保など、さまざまなポイントに注意を払う必要があります。以下に、店舗リフォームを検討する際に押さえておきたい重要な4つの注意点をご紹介します。

店舗リフォームの重要な注意点

1.基本的に店舗リフォームで住宅ローンは利用不可
2.工事中の従業員に対する補償対応と近隣住民への配慮
3.工期延長のリスク
4.「内装制限」に注意

1.基本的に店舗リフォームで住宅ローンは利用不可

店舗リフォームを行う際、一般的に住宅ローンを利用するのは困難です。無担保で利用できるリフォームローンも住宅向けが主流のため、店舗リフォームには対応していないケースがほとんどです。

そのため、資金を調達するには、まず事業融資を申し込むのが基本です。しかし、店舗リフォームでは金融機関からのローンが通らないケースが多く、結局は自己資金を貯めて現金で支払うのが一般的な方法とされています。計画的に資金を準備することが大切です。

内装工事の費用まで準備できているなら、コストの大きな部分を占める厨房設備についてはリース契約にするという方法もあります。リースを利用することで初期費用を抑えることができ、手元資金の負担を軽減できます。

公的融資やリース契約の活用

自己資金だけでは不十分な場合、日本政策金融公庫自治体が提供する融資制度を利用する方法もあります。ただし、これらの公的融資を受けるには、事業計画を作成し審査をクリアする必要があります。

資金調達の方法として、ビジネスクレジットを活用する手段も検討できます。また、店舗リフォームに詳しいリフォーム会社に相談してみるのもいいでしょう。

2.工事中の従業員に対する補償対応と近隣住民への配慮

店舗リフォームを行う際には、工事の期間や内容について従業員や近隣住民にあらかじめ知らせておくことが大切です。特に工事のために店舗を一時休業する場合、スタッフにはスケジュールを早めに共有してあげましょう。

また、工事中には騒音や振動、粉塵などが発生する可能性があります。近隣の店舗や住民に対しても工事の内容や期間を説明し、トラブルを未然に防ぐ努力が必要です。リフォーム中の対応は、店舗の信頼やイメージに大きく影響するため、細やかなコミュニケーションを心がけましょう。

休業補償の適切な支払い

店舗の改装期間は数カ月に及ぶ場合があり、スタッフへの休業補償が必要です。労働基準法第26条では、「使用者の責めに帰すべき事由による休業」の際には平均賃金の60%以上の支払いが義務付けられています。これは正社員だけでなく、パートやアルバイトにも適用されます。

リフォーム費用に加えて、従業員の休業補償も予算に含めておきましょう。もっと立地が良くて条件がそろっている物件が近くにあるのであれば、従業員の人数や工事期間によっては、移転した方がよい場合もあるでしょう。

3.工期延長のリスク

店舗リフォームでは、人手不足・資材不足・天候の悪化など、予期せぬ理由で工事期間が延びる場合があります。特に飲食店のように設備が多い業態では、工期が長くなりやすいです。

収入が得られない期間が延びる可能性を考慮して、余裕のあるスケジュールで工事期間中の生活費や給与補償を確保すると安心です。

4.「内装制限」に注意

建築基準法に基づく規制

店舗のリフォームでは、建築基準法が定める「内装制限」に違反しないよう注意する必要があります。内装制限とは、火災による被害を最小限に抑えるために壁や天井に燃えにくい素材:「防火材料」を使用するよう求める規制です。

防火材料は、火災による熱が加えられた場合に、一般の建築材料よりも発火が遅く、火災被害を抑える目的や、防火対策に用いられています。建材の防火性能によって発火が遅いものから、不燃材料・準不燃材料・難燃材料の3つに分類されます。

<不燃材料等に必要な性能に関する技術的基準>
通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後次の表に掲げる時間、表に掲げる要件を満たしていること。

材料の種類 時間 要件
不燃材料(令第108条の2) 20分間 ・燃焼しないこと
・防火上有害な損傷を生じないこと
・避難上有害な煙又はガスを発生しないこと
準不燃材料(令第1条) 10分間
難燃材料(令第1条) 5分間

例えば、1.2m以上の高さの壁や天井には、難燃以上の「防火材料」を使うよう義務付けられています。内装制限の対象になるかどうかや規制の内容は、建物の用途や規模、構造などによっても異なり、違反すると罰則や再工事を求められるため、リフォームの計画段階で確認しておくことが重要です。この点は、法令に通じている業者を選べば問題になることはないでしょう。

消防法に基づく規制

消防法でも火災予防や消火を目的として、内装制限や設備の設置に関するルールが細かく定められています。排煙設備や消火器具、避難経路の確保などが必須となり、事前に消防署への届出が必要です。これらの規制に違反すると再工事を求められ、工期が延びるうえに余計な費用がかかってしまいます。
消防法でも、内装制限や設備の設置に関するルールが細かく定められています。排煙設備や消火器具、避難経路の確保などが必須となるため、事前に消防署への届出が必要です。これらの規制を守ることで、法令違反による余計な費用や工期の遅延を防ぎ、安全な店舗づくりが実現できます。

地域ごとのデザイン規制

また、店舗の外観デザインについては「景観法」に基づく規制もあります。地域ごとの景観計画に基づいて、建物や看板のデザインが制限される場合があります。例えば、広島市では独自の景観計画が定められており、これに沿った設計が求められています。詳細は該当する自治体の公式ホームページを確認しましょう。

法令遵守が安心のカギ

店舗リフォームを行う際には、建築基準法、消防法、景観法など複数の法律を守る必要があります。法令を守るのは単にトラブルを防ぐだけでなく、お客様やスタッフ、店舗の安全を守るためにも欠かせません。法令を守って安全な店舗づくりを行いましょう。

店舗リフォームで成功するための業者選びのコツ

リフォームの成功は業者選びにかかっています。法規制を熟知した業者に依頼するなら、スムーズにリフォームを進められます。自社施工が可能な業者を選べば、中間マージンを抑えてコストパフォーマンスに優れた工事になるでしょう。施工実績が豊富で信頼できる業者を見極め、理想の店舗リフォームを実現しましょう。

店舗リフォームに役立つヒント12選

飲食店や小売店のリフォームにおいて、訪れるお客様にとって快適で魅力的な空間づくりは非常に重要です。ここでは、リフォームを検討する際にぜひ取り入れたい、店舗の外装や内装デザインの要素を紹介します。

店舗リフォームに役立つヒント12選

1.清潔感のある空間デザイン
2.エントランスから感じるテーマ性
3.スタイリッシュでインスタ映えする内装
4.リラックスできる照明
5.自然光が差し込む明るい店内
6.季節感を感じるディスプレイ
7.見やすい看板とメニュー表示
8.静かで落ち着いたBGM
9.良い香りがする空間づくり
10.快適な座席配置と広々としたスペース
11.温かみのある自然素材の使用
12.子供や家族連れにも優しい空間

1.清潔感のある空間デザイン

清潔で整然とした空間は、どの店舗でも基本です。特に飲食店では、入口からトイレまで衛生的であることが重視されます。見た目の清潔感は、信頼と好感度を高める要因となるため、シンプルかつ洗練されたデザインで清潔な印象を与えましょう。

2.エントランスから感じるテーマ性

店舗全体のテーマやコンセプトが統一されていると、初めて訪れるお客様にも分かりやすく、店舗の雰囲気に一貫性が出て魅力的です。例えば、特定の色や素材で統一すると、他の店舗との差別化を図れます。

3.スタイリッシュでインスタ映えする内装

写真映えするスタイリッシュなアートや装飾は、SNSでのシェアを促進し、集客に効果的です。壁やディスプレイに個性的な装飾を加えると、お客様が「また来たい」と思うような思い出に残る空間を作れます。

4.リラックスできる照明

間接照明や温かみのある照明で、リラックスできる雰囲気を演出しましょう。柔らかい光は気分を落ち着かせ、夜間の飲食店やカフェでは、居心地の良さがさらに高まります。

5.自然光が差し込む明るい店内

自然光が差し込む明るい空間は、開放感があり、居心地の良さを感じさせます。大きな窓や窓辺の装飾で、日が差し込む時間帯がより魅力的になります。

6.季節感を感じるディスプレイ

季節ごとの飾り付けは来店のたびに新鮮な印象を与え、顧客の再来店を促します。例えば、春は桜のディスプレイ、冬は温かみのあるライトアップなど、季節感を反映したデコレーションがあると訪れる度に楽しみが増します。

7.見やすい看板とメニュー表示

看板やメニューが見やすい位置に配置されていると、初めて訪れるお客様にもわかりやすく、気軽に入店しやすくなります。シンプルで読みやすいデザインを心がけ、視認性を高めましょう。

ファサードデザインを工夫して店舗の印象を一新!

店舗の「顔」となるファサード(建物の正面部分)は、第一印象を左右する重要な要素です。ファサード看板をライトアップすると夜間の視認性が向上しますし、デザインを変更するだけでも、店舗の雰囲気やブランドイメージを一新できます。

8.静かで落ち着いたBGM

店内のBGMは静かで落ち着いた音楽を選び、音響も控えめに調整すると、心地よい空間を保てます。お客様がリラックスして会話を楽しめる雰囲気が大切です。

9.良い香りがする空間づくり

店舗を印象付けるフレグランスやアロマを活用して、エントランスや店内に爽やかな香りを漂わせましょう。香りは記憶に残りやすく、心地よい空間を提供する要素として顧客満足度を高めます。

10.快適な座席配置と広々としたスペース

座席はお客様同士がリラックスできるよう、適度なプライバシーが保たれる配置にしましょう。座りやすい椅子やソファ席を選ぶなら、滞在時間が伸びやすくなります。また、通路が狭すぎず、ゆとりのある空間であれば、スタッフの動線もスムーズです。

11.温かみのある自然素材の使用

木材や自然素材を内装に取り入れると温かみが感じられ、リラックス効果も期待できます。植物があると癒しの空間が演出されてナチュラルな雰囲気が加わるため、長居したくなる心地よさが生まれます。

11.温かみのある自然素材の使用

家族連れのお客様が安心して過ごせるように、キッズスペースやゆったりした席の配置、子供にも優しいトイレの工夫を施すと、家族連れのリピーターを獲得しやすくなります。

バリアフリー対応で幅広いお客様に優しい店舗づくり

店舗リフォームにおいて、高齢化社会の進行や子育て中の家族など、多様なニーズを持つお客様がいる中、車いすやベビーカーを使用するためにバリアフリー対応は重要な要素です。現代ではすべてのお客様に利便性や安心感を提供できる、誰もが利用しやすい店舗づくりが求められています。バリアフリー対応の具体的なポイントとしては、以下の点が挙げられます。

  • 段差をなくす:店舗入口や店内の移動経路に段差を設けないことで、車椅子やベビーカーの利用者も安心して訪れられます。
  • 手すりやスロープの設置:高齢者や身体の不自由な方への配慮として、各所に手すりを設けたり、傾斜の緩やかなスロープを設置するのが効果的です。
  • 広めの通路設計:90cm以上の幅を確保するなら、車椅子利用者がスムーズに曲がれます。
  • バリアフリートイレの導入:多目的トイレの設置は、幅広い層のお客様が快適に過ごせる店舗づくりに繋がります。

これらは、食事やショッピングを快適に楽しむために多くの人が重要視するポイントです。幾つかの要素を組み合わせるなら、お客様が心地よく過ごせる空間が生まれ、顧客満足度とリピート率の向上につながるでしょう。店舗リフォームの際には、これらのヒントを参考に、訪れるお客様にとって快適で特別な体験を提供する空間づくりを目指しましょう。

店舗改装に活用できる補助金「業務改善助成金」

地方の中小企業が店舗リフォームを行う際に、費用の一部を助成する「業務改善助成金」という制度があります。この助成金は、地域の中小企業が従業員の最低賃金を引上げる際の支援として提供されており、業務改善や効率向上を目的としたリフォームや設備導入に活用できる点が特徴です。

業務改善助成金の利用条件と権利要件

業務改善助成金は、業務改善を目的とした店舗の改革を計画している事業者に支給されるもので、事業場内最低賃金を30円以上引き上げるよう求められています。生産性向上に資するリフォームや設備投資を行う場合にも適用されます。

例として2024年度の業務改善助成金について説明していきますが、今後内容が変わる可能性がありますので、最新の情報は厚生労働省の公式ホームページで確認なさってください。2024年度の制度では、助成額は最大600万円まで、対象となる改修費や設備投資費用の一部を補助されます。

1.業務改善助成金の要件と対象外になるケース

事業者が業務改善助成金を受け取るためには、以下の条件を満たす必要があります。

業務改善助成金の要件
  • 中小企業・小規模事業者
  • 事業場内での最低賃金が地域別最低賃金と50円以内の差額であること
  • 事業場内の最低賃金を時給換算で30円以上引き上げる
  • 賃金の引き下げや解雇を行わない
  • 契約金額が10万円以上の場合は複数社から見積もりを取得する

改装中の店舗は、近くを通る人々の興味を引きつけ、リニューアルオープンの告知の際にも新しい顧客層を呼び込むきっかけになります。周辺の店舗の中でも、「新しくきれいな店舗」として認識され、競合店との差別化を図れるでしょう。

「業務改善助成金」の対象外となるケース

以下のいずれかに該当する場合、「業務改善助成金」の対象外となりますのでご注意ください。

業務改善助成金の要件
  • 労働関係の法令違反がある、または労働保険料を滞納している
  • 暴力団など反社会的勢力との関わりがある
  • 他の助成金や補助金の支給取消を受けたことがある
  • 類似した他の助成金や補助金を受給したことがある
  • 申請や実績報告時点で、倒産手続きが進行中である
  • 不正受給が判明した場合に事業主の情報公開に同意していない

2.申請の流れ

助成を受けるには、最低賃金を引き上げる計画と店舗改修の計画を立てて申請します。 助成金の交付が決定した後、計画通りに事業を実施して結果を報告すると、かかった費用の一部が助成金として支給される流れです。

3.助成の対象となる項目と経費

助成の対象となる経費には、生産性向上を目的とした設備投資が含まれます。例えば、店舗リフォームや業務用冷蔵庫、大容量POSレジシステムの導入が該当します。飲食店の厨房をリフォームして動線を改善し、作業効率を高める場合も助成対象になる可能性があります。

具体的な改修内容としては、動線を改善するレイアウト変更や、ホールから直接料理を配膳できるカウンターの設置などによって労働効率を向上させる場合などです。店舗運営者にとって、改修や新設備の導入は作業効率を向上させるだけでなく、新たな客層を呼び込んで客単価が向上し、売上アップにもつながる有効な投資です。

生産性の向上に資する場合でも、助成対象外になる場合がある点にご留意ください。

特例事業者向け助成金

特例事業者とは、経済環境の悪化や原材料費の高騰などにより、直近3カ月間のうち1カ月の利益率が3%以上減少している事業者を指します。この条件を満たす事業者は、車両やPC、タブレットなどの端末導入費用も助成対象になります。

特例事業者向け助成金
2024年度申請分の助成対象経費
2024年度申請分の助成対象経費

4.2024年度の助成金制度と今後の展望

2024年度の「業務改善助成金」では、最低賃金の引き上げを目的として、個人事業や中小企業を対象に助成金を支給しています。この助成金は、業務改善を支援する設備機器の導入や、店舗の改装費用に対して適用されます。また、POSレジシステムの導入やホームページ制作も対象となりますが、この記事では特に店舗改装に関する助成要件に焦点を当てて解説します。

助成金額の計算方法

助成金額は設備投資や改修費用に一定の助成率を掛けた額と、助成上限額(最大600万円)を比較して、どちらか少ない方の額が支給されます。例えば、事業所内の最低賃金が900円未満の場合、時給を90円以上引き上げる従業員が7人以上10人未満いる場合の助成率は9/10です。

この計算式で受け取れる助成金(最大600万円)の助成率は9/10ですから、600万円×9/10=540万円です。しかし、支給される助成金は、より少ない助成上限額の450万円です。

助成金額の計算方法
事業所内最低賃金 助成率
900円未満 9/10
900円以上950円未満 4/5(9/10)
950円以上 3/4(4/5)
助成金額の計算方法

下記に示すケースでは、助成対象外になるのでお気をつけください。引き上げ後の事業場内の最低賃金の額を就業規則などに定める必要があります。

助成対象外になるケース
  • 交付申請前に引き上げた場合
  • 地域別最低賃金の改定に伴って事業場内最低賃金を発効日以降に引き上げた場合
  • 研修中などの労働者に対して、一定期間経過後に引上げられる賃金
  • 複数回に分けて賃金を引き上げる場合
  • 引き上げた給料の支払い実績を確認できない場合
  • 交付決定前に納品された設備投資
  • 老朽化した設備や故障した機器を単に買い替える場合
  • 通常の経費

交付決定前に導入予定の機器を発注するのは問題ありませんが、交付決定前に納品された設備投資などは対象外です。また、老朽化した設備や故障した機器を単に買い替える場合は対象外ですが、アップグレードした設備の導入により生産性が向上すると認められれば、対象になる可能性があります。
その他、詳細は業務改善助成金のQ&Aページをご確認ください。

業務改善助成金は継続される?

業務改善助成金は厚生労働省が実施している制度で、事業主が労働環境の改善や生産性向上を目的とした設備投資や賃金引き上げなどに対して支援するものです。助成金の施策は毎年見直されているため、2025年度以降の継続については現時点で公式な発表はされていません。

しかし、過去の実績や政府の労働政策の流れを鑑みると、業務改善助成金のような生産性向上を目指した助成金は、引き続き何らかの形で継続される可能性が高いでしょう。例えば、石破政権は「最低賃金を2020年代に全国平均1,500円への引き上げを目標に掲げる」と公言しており、「業務改善助成金」は今後も継続されると思われます。

広島県の最低賃金は2024年10月1日から50円引き上げられて、時給1,020円です。今回の引き上げは過去最大の引き上げ幅となりました。背景として、消費者物価指数の上昇や労働力人口の減少に伴って、人材・労働力の獲得競争が激化していることが挙げられます。

とはいえ、業務改善助成金については、要件などが時折変更されてきたため、今後も厚生労働省の公式ホームページから最新情報を確認するようおすすめします。

店舗やクリニックの新築は軽量鉄骨じゃないとできない?!

「店舗やクリニックの新築は軽量鉄骨じゃないとできない」とお考えではありませんか?実は特殊な技術を使えば、木造でも鉄骨造に匹敵するほどの広々とした大開口の空間を実現でき、コストも大幅に削減できます。

標準化・規格化された木造建築の設計・施工技術により、「高品質・低コスト・短工期」の建築を達成できます。

木の弱点を鉄で補強した特殊部材

自然に生えている木は縦方向に生えていて、柱として縦向きに使う場合には優れた強度を発揮します。しかし、梁として横向きに使う場合には、数十年に渡って荷重がかかるとたわみやすいという特性があります。 しかし、木の弱点を鉄で補強した特殊部材を活用すると、クリープ変形がほとんど発生せずに大空間を支えられる梁になります。

木造×鉄骨のハイブリット工法でさらに進化した木造建築

木造×鉄骨のハイブリット工法でさらに進化した木造建築

木造建築の可能性をさらに広げてくれる「木造×鉄骨のハイブリット工法」は、鉄の強度を加えた梁を活用し、柱や壁を極力減らした設計が可能です。この技術を採用した建物は、柱がない大空間、大きな吹き抜けや大開口の窓など、部材の強さを生かして広々とした空間設計が可能です。具体的には、柱と柱の間を最大10m(※1)まで広げられます。

また、バルコニーを柱なしで支える設計や、Ⅹ線撮影機器などの重い医療機器を天井に設置するなど、特殊な要件にも柔軟に対応可能で、天井高:最大4m(※2)の開放的な設計も実現できます。

木造×鉄骨のハイブリット工法

地震にも強い!耐震等級3を取得できる工法

単に部材の強度が高くて大空間を実現できても、地震に弱ければ意味がありません。しかし、「木造×鉄骨のハイブリット工法」は、地震のような瞬間的にかかる大きな力にも耐えられる強力な工法です。

弊社ではこの技術を用いて、「構造計算による耐震等級3」相当の建物を提供することが可能です。お客様のご要望や条件にあわせて最適なプランをご提案しますので、どうぞお気軽にご相談ください。

コスト削減と短工期を実現する「木造規格化工法」

コスト削減と短工期を実現する「木造規格化工法」

効率的に建築工事を行って生産性を向上させるには”規格化”がカギです。実は、設計・建材・施工が規格化された木造建築は合理的で、理想的な工法といえます。現代の木造建築では、構造部材の加工を高度なコンピュータ制御で行う「プレカット工法」が一般的です。

この技術により、プラモデルのように部材の精度が向上して品質が標準化され、現場での作業時間が大幅に短縮されます。そして、従来は職人による手作業で行っていた加工にかかる人件費を大幅にコストカットできます。

また、木造の方が軽量鉄骨より材料費を抑えられます。なぜなら軽量鉄骨は建材費に加え、防錆処理や耐火処理を施す分、建築コストが高くなるからです。さらに、木造建築は建物の重量が軽いため、低層建築であれば住宅レベルの基礎でも問題ありません。そのため、木造は基礎工事や地盤改良にかかるコストも抑えられます

さらに、木造建築は鉄骨造と比較して建築確認申請がスムーズです。この工法は木造×鉄骨のハイブリット工法ですが、木造として検査を受けられるため、確認申請期間を短縮できます。これにより、全体の工期を短縮できます。実際に、棟上げから完成まで約2か月というスピード工事でオープンした飲食店の事例もあります。

軽量鉄骨造と比較して20~25%程度コストカットした事務所の建築事例

下記に掲載している平屋の事務所は、先述した木造×鉄骨のハイブリット工法のコスト面のメリットにより、軽量鉄骨造と比較して20~25%程度抑えた予算で建築しました。2階建て以上であれば、コスト面でもう少し有利になると想定されます。

参考価格/建物総工費:税込約5,700万円(土地造成を含む)

木造×鉄骨のハイブリット工法が選ばれる理由

1.コスト効率

鉄骨造と比較して建材費や施工費を大幅に削減できるため、予算内での建築が可能です。

2.短い工期

規格化された部材を使用するため、工期が短く、早期の営業開始が実現。

3.高い設計自由度

木造×鉄骨の長所を活かした工法により、広い無柱空間やデザイン性の高い建築が可能です。

4.環境への配慮

木材は持続可能な資源であり、建設時の環境負荷が低い点も魅力です。

木造×鉄骨のハイブリット工法で未来の店舗・クリニックを

木造建築は、鉄骨造に比べて軽量かつコスト効率が高いだけでなく、最新技術を取り入れてスタイリッシュな空間設計も可能です。
高品質・低コスト・短工期を実現する木造×鉄骨のハイブリット工法を活用すれば、ビジネスが求めるスピード感に対応できるでしょう。新築やリフォームを検討中の方は、ぜひ木造建築の可能性を見直してみてください。

木造×鉄骨のハイブリット工法の事例
木造×鉄骨のハイブリット工法で未来の店舗・クリニックを

店舗・クリニックにおけるリフォーム・施工事例

SAディールが施工した、店舗やクリニックのリフォーム・施工事例をご紹介します。

看板のリフォーム事例|讃岐屋 光町店様

看板のリフォーム事例|讃岐屋 光町店様

リニューアルオープンを迎えた「讃岐屋 光町店」様のサイン工事一式(デザイン・施工)を担当させていただきました。正面のターポリンテント(W2500×H1500)は単なる看板ではなく、日除けとしてショーケース内の温度上昇を防ぐ機能も持たせています。強風時でも安全性を確保するため、アンカー処理を施し、耐久性を高めています。

店内外の各種看板やサインの設置の他にも、ブランドイメージを一新するデザインをご提案させていただいております。集客力を高めたいとお考えの方はぜひご参考ください。

クリニックのリフォーム事例|野田耳鼻咽喉科様

クリニックのリフォーム事例|野田耳鼻咽喉科様
待合室
待合室

患者様がより快適に滞在できる空間を目指し、待合室をリフォームしました。座席の高さを調整し、立ち座りが楽にできる仕様に改善しています。床材を明るい白に張り替え、LED照明を増設して、全体を清潔感あふれる明るい空間に仕上げました。また、トイレ入り口はスライドドアに、下駄箱も全体の改装後のイメージに合わせて変更しています。

受付カウンター
受付カウンター

使用頻度が高く劣化していた木製の受付カウンターは、美観を守るため耐久性に優れたリアテックシートに張り替えました。また、壁面を明るい白で塗り直し、窓にはバーチカルブラインドを導入して、適度に光を取り入れながらスタイリッシュで全体が明るい空間になるように設計しました。

診察室
診察室

診療台の上にあるLED照明を調光可能なタイプに変更して、診察内容に応じて照明の明るさを調整できるよう提案し、快適で機能的な診療空間になるように配慮しました。他の照明の位置も患者さんの動線に合わせて付け替えて部屋全体が明るくなるように調整しています。
その他、スタッフ控え室の畳の張り替えや収納棚の扉の補修も行い、待合室と同様に診察室の壁や天井を白く塗り直して床材を張り替え、職場環境の改善を考慮して施工しています。

店舗設計・内装の施工事例

店舗設計・内装の施工事例|トヨタカローラ広島様

業務用エアコン工事の流れ

トヨタカローラ広島イオンモール府中店の新車展示場では、「気軽に見て、触れて、検討できる」をコンセプトに、内装設計・施工を担当させていただきました。スリムベゼルのサイネージモニターを複数連結し、トヨタが取り組んでいる次世代モビリティの情報を効果的に発信できるように、高さや配置を細かく調整して視認性を確保しています。

近代的なデザインと広々とした店内レイアウトは、ご家族連れのお客様でも入りやすい雰囲気です。

店舗リフォーム・店舗設計・内装デザインはSAディールへ

私たちSAディールが大切にしているテーマは、「店舗の成功をデザインする」ことです。ただ店舗をリフォームするだけでは、お客様を惹きつけることはできません。私たちは、ターゲットとなるお客様が入りたくなるような店舗を設計し、居心地がよくて「また来たい」と感じるような空間づくりを心掛けています。

弊社は広島エリアを拠点に、飲食店やクリニック、幅広い業種の店舗リフォームや設計、内装工事をトータルでサポートしてきました。開店準備も含めて、ブランドイメージをしっかりと反映させた店舗づくりをお手伝いします。

ヒアリングから完成までをワンストップで対応するため、複数の業者と打ち合わせをする煩わしさがありません。また、修理や追加の改装など、リフォームに関するあらゆるご相談にも迅速に対応いたします。店舗づくりに関することなら、どうぞお気軽にSAディールにご相談ください。

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