空調工事
業務用エアコンの設置工事と費用相場|最適な選び方を紹介
業務用エアコンは専門用語が多く、形状や馬力、省エネ効率もさまざまで、どれを選んだらよいか悩むのではないでしょうか。エアコン工事業者の選定や費用についても不安を感じるかもしれません。そこで、業務用エアコンを選ぶ際に押さえておきたい重要なポイントや、メンテナンスを重視した施工業者を選ぶべき理由、工事の流れをご説明します。
この記事を読めば、業務用エアコンの工事後も安心して任せられる業者選びのヒントが見つかるでしょう。ぜひ参考になさってください。
業務用エアコンを選ぶ際の重要ポイント
業務用エアコンを選ぶ際には、以下の4つのポイントをしっかり押さえることが重要です。
1.室内機の形状
2.馬力(能力)
3.省エネ効率
4.専門知識を持つ施工業者による提案・施工
1. 室内機の形状
業務用エアコンには天井カセット型や壁掛け型、床置き型など、さまざまな形状があります。設置スペースの広さや内装デザインに合わせて、見た目と機能性を両立できる形状を選びましょう。
室内機の形状を選んだら、次にシングル・ツイン、同時なのか個別なのかを決めます。これらの専門用語を簡単に説明します。
・シングルとは、1台のエアコンに対して室外機が1台
・ツインは、2台のエアコンに対して室外機が1台
・トリプルは、3台のエアコンに対して室外機が1台
・ダブルツインは、4台のエアコンに対して室外機が1台
上記の通り、シングル・ツインなどの数を示す言葉は、室内機の数を表しています。
同時・個別というのは、室内機を1つのリモコンで同時に動かすのか、それとも個別に動かすのかという意味で、間取りや部屋の広さなどに応じて選択します。例えば、2つの部屋の空調を2つのリモコンで個別に調整したい場合はシングル×2、または「個別ツイン」が適しています。一方、広めの工場などは個別に管理すると設定が大変になってくるので、「同時ダブルツイン」にすると、4台のエアコンをまとめて1つのリモコンで調整可能です。
下記に示す画像をご覧いただくとイメージが掴みやすいと思います。
2. 馬力
必要なエアコンの馬力は、単に床面積だけでなく、建物の構造や窓の配置、室内で発生する熱量(人の数や熱を発生する機器など)によって決まります。過小な馬力のエアコンを選ぶと冷暖房効率が悪くなり、電気代が増えるだけでなく快適性も損なわれます。適切な馬力のエアコンを選ぶなら、効率的かつ経済的な運用が可能です。
3. 省エネ効率
業務用エアコンはお客様にとって快適な空調を維持するために長時間使用するケースが多いため、初期投資だけでなく、長期的なランニングコストも考慮する必要があります。省エネ性能の高いエアコンを選ぶなら、電気代の節約はもちろん、環境にも配慮した運用が可能です。最新のモデルでは、AIやスマート機能を活用した省エネ技術が搭載されており、無駄な消費を抑えられます。
4. 専門知識を持つ施工業者による施工・メンテナンス
空調システムの専門知識を持つ施工業者への依頼は、業務用エアコンの導入において非常に重要なステップです。適切な提案や施工によってエアコンの性能を最大限に引き出し、快適な空調設備を整えられます。また、信頼できる業者に依頼するなら、メンテナンスも含めて長期にわたり安心して使用できる環境が整います。
エアコン選定時には、設置場所や用途に合った形状と能力を選ぶことが不可欠です。誤った選定は、空調効率を下げ、電気代の増加や故障の原因となります。適切な機器と確かな施工を組み合わせるなら、快適な空調環境を長く維持できます。
業務用エアコンの形状を選ぶ
設置場所の広さ・用途・内装に応じて、エアコンの形状を選びます。例えば、天井カセット型や壁掛け型、床置き型など、それぞれの空間に最適なタイプがあります。設置場所にも十分な配慮が必要で、室外機のスペース確保や配管の配置も考慮に入れるべきです。この記事では、下記の9つの形状について説明します。
1.天井カセット形(4方向吹き出し)
2.天井カセット形(2方向吹き出し)
3.天井カセット形(1方向吹き出し)
4.天井埋込ダクトタイプ
5.天井吊り型エアコン
6.壁掛け型エアコン
7.床置き型エアコン
8.ビルトイン型エアコン
9.厨房用エアコン
1. 天井カセット形(4方向吹き出し)
天井カセット型エアコンは天井に埋め込まれて見た目がスッキリしており、風が4方向に均等に吹き出すため部屋全体を快適に冷暖房できます。快適な空調環境を実現しつつインテリアとの調和を図れるため、業務用エアコンの中でも特に人気があり、オフィスや店舗、レストランなど幅広い用途に対応可能です。 また、各メーカーのサイズがほぼ同じため、入替時にも大がかりな天井工事が不要な場合が多い点も魅力の一つです。
4方向吹き出しに限らず、天井カセット型エアコンの設置には、天井裏の空間(天井懐)が十分にあることが条件です。天井裏のスペースが足りない場合は、露出した形での設置も可能です。現地調査を行い、設置できるかどうかの確認も対応していますので、お気軽にお問い合わせください。
エアコンの取り付け工事費用は、設置場所や配管の状況により異なります。壁に配管用の穴がない場合や室外機の設置場所が限られている場合、電源設備の増設が必要なケースなどは、追加費用が発生する可能性があります。
・専用の電源がない、または電圧が対応していない
・配管を通すための壁穴がない、または壁の材質が特殊
・室外機を地面やベランダに置けない
・室内機と室外機が別々のフロアにある
・配管を隠すための工事が必要な場合
・配管に化粧カバーを付ける場合
・既存エアコンの撤去やリサイクルの依頼がある場合
2.天井カセット形(2方向吹き出し)
天井カセット2方向吹き出しタイプは、2つの吹き出し口がある業務用エアコンで、主に長方形の部屋や廊下などに適しています。このタイプは、風の流れを調整しやすく、梁や照明の配置に合わせた設置が可能です。限られたスペースで効率的な空調が可能ですが、設置には天井の十分なスペースが必要です。
インテリアとの調和を保ちつつ、効率的に空間を冷暖房できるため、デザインを重視する場所にも向いています。
・長方形の部屋や廊下に最適
・インテリアに合わせた設置が可能
・設置には天井裏のスペースが必要で工事費が高め
・室内機の横幅が1,500mmを超える場合もあり、設置が難しいケースがある
3.天井カセット形(1方向吹き出し)
吹き出し口が1方向の天井カセットエアコンは、部屋の隅に最適なタイプです。天井への埋め込みも可能で、下がり天井にも対応します。下向きや前向きなど、吹き出し方向を自由に設定でき、高天井の部屋でも効率的に冷暖房できます。
インテリアとの調和を保ちつつ、効率的に空間を冷暖房できるため、デザインを重視する場所にも向いています。
天井カセット型(1方向吹き出し)は、天井に埋め込んで設置するタイプの中では、コストを抑えやすい点がメリットです。1方向に風が吹き出す設計のため、効率的に空気を循環させるには、天井の隅に設置するのが効果的です。風の流れをコントロールしやすく、狭いスペースで特定のエリアへ重点的に冷暖房を行いたい場所に適しています。
デメリットとしては、風が1方向にしか吹き出さないため、エアコンの真下や両サイドには十分に風が届かない点が挙げられます。このため、広い部屋や多方向に風が必要な環境では風が偏りやすく、空調効果が均等になりにくいです。天井吊り型エアコンや壁掛け型エアコンよりも施工費が高く、部屋の形状や空調ニーズによっては、別のエアコンタイプの方が適しているかもしれません。
4.天井埋込ダクトタイプ
天井埋込ダクト型エアコンは、吹き出し口と吸い込み口が分離しており、自由に配置できるのが特徴です。エアコンの存在感を感じさせないため、インテリア重視の店舗やホテルに最適です。自在なレイアウトが可能で、空間に合わせた効率的な冷暖房が実現します。メンテナンスしやすい電動昇降式グリルもあります。
・吹き出し口と吸い込み口を自由に配置できる
・エアコン本体が目立たず自在なレイアウトが可能
・インテリア重視の空間づくりに最適
・高静圧タイプがあり、ダクトの長さに応じて最適な風量にできる
・メンテナンスが簡単で、オートグリル付きの製品も選べる
・天井に開口部を設ける工事が必要
・設置にかかる部材や施工費が割高
・メンテナンスにコストがかかる
5.天井吊り型エアコン
天井吊り型エアコンは天井から吊るすタイプのエアコンで、設置場所を選ばず、天井に大きな穴をあける必要がありません。横方向に長い場所でも風を遠くまで送れるため、細長い部屋や高い天井がある空間に適しています。運転音が静かでインテリア性も高いため、オフィスや店舗で人気です。
・広い空間でも大風量で効率よく冷暖房できる
・天井に開口を設けずに設置できる
・インテリアを崩さずに設置可能
・高静音で快適な運転が実現
・配管が見える
・低い天井には向いていない
・1方向吹き出しのため、両サイドや真下には風が届きにくい
6.壁掛け型エアコン
実例:A社様
壁掛け型エアコンは、一般住宅でもよく採用される、最もスタンダードなエアコンタイプです。壁に取り付けられるため床スペースを占有せず、取り付け工事も比較的簡単です。家庭用に比べ、耐久性もあり配管長の距離があっても能力が落ちないので小規模店舗や事務所に適しています。
・取り付け工事が容易で費用が安い
・メンテナンスしやすい
・小型で軽量の製品が多く、パワー不足を感じる場合がある
・風が遠くまで届きにくく、温度ムラが発生しやすい
7.床置き型エアコン
実例:美和ゴルフクラブ様様
床置き型エアコンは、その名の通り床に設置するタイプで、工事が簡単でメンテナンスをしやすいのが特徴です。上下の異なる方向に風を送れるタイプは、天井型エアコンに比べて人が集まるところや作業スペースに集中して送風できるというのがメリットで、全体に風を送るには出力の高いエアコンや台数を増やす必要があるかもしれませんが、特定の場所に風を送りたいということがはっきりしているのであれば床置きエアコンは良い選択肢になるかもしれません。さまざまな大きさや風力を選べるため、工場や倉庫などの広い空間でも対応できます。
・天井クレーンなどに干渉しない
・施工費が比較的安い
・特定のスポットへ送風できる
・メンテナンスが容易
・冷暖房効率が高い
・設置場所の確保が必要で狭いスペースには向いていない
・インテリア重視の空間には向いていない
・排水管ルートの確保が難しい場所には設置できない
8.ビルトイン型エアコン
ビルトインエアコンは本体が天井や壁に埋め込まれて吹き出し口だけが見えるため、インテリアに溶け込みやすく、すっきりとした外観が特徴です。自由なレイアウトが可能で、部屋のデザインを損なわずに広い空間を作り出せます。特にデザインにこだわる空間に適していますが、初期費用やメンテナンスコストが高いのがデメリットです。
・すっきりとした見た目でインテリアに馴染む
・室内レイアウトの自由度が高い
・天井裏のスペースが必要で、穴をあける必要がある
・初期費用や工事費が高め
・メンテナンスや修理に手間がかかる
9.厨房用エアコン
実例:社会福祉法人三篠会 白木の郷様
厨房用エアコンは、油汚れや高温環境にも対応できるよう設計されたエアコンです。オイルミストフィルターや高性能の空調機能が備わっており、厨房内の過酷な環境でも安定した性能を発揮します。以下に、厨房用エアコンに多く見られる機能・特徴をあげていきます。
「オイルミストフィルター」は、調理中に発生する油を含んだ蒸気からエアコンを保護します。これをエアコンの吸気口に装着して、油や蒸気が内部に侵入するのを防ぎ、故障を予防します。特に油を多く使用する厨房環境では欠かせない機能です。
厨房用エアコンは、多くの製品でステンレスを外装に採用しています。ステンレスは耐熱性と耐腐食性が高く、油や汚れが付きにくいのが特徴です。汚れても簡単に拭き取れるため、厨房のような環境に最適です。ステンレス素材は、厨房の清潔さを保つうえで非常に重要な役割を果たします。
厨房用エアコンには使い捨てのフィルターが採用されているものがあり、汚れたら交換するだけで清掃の手間が省けます。従来のフィルターに比べて約3倍長寿命で、定期的な交換と機内の洗浄を行えば、長期間にわたり快適な性能を維持できます。一般的な厨房環境では、フィルターの交換目安は約3カ月とされていますが、汚れ具合に応じて調整が必要です。
高温になる厨房内でも効率よく冷却できるように、厨房用エアコンには通常よりもハイパワーの冷却性能が備わっています。一般的なエアコンは、吸い込む空気の温度が約35度までが対応範囲ですが、厨房用エアコンは45度まで対応可能です。これにより、調理中の高温環境でも快適な温度を維持できます。
パンやうどん、そばなどの粉ものを扱う店舗では、厨房用エアコンを使用する際に注意が必要です。粉がエアコンの吸気口に吸い込まれてフィルターが詰まってしまい、エアコンの故障リスクを高めてしまうからです。また、機械油煙、硫黄ガスやアルカリ、酸などを含む環境ではエアコンの劣化が早まるため、こうした場所での利用は避けましょう。
業務用エアコンの馬力を選ぶ基準
業務用エアコンの「馬力」とは、そのエアコンが提供できる冷暖房能力を示す指標です。エアコンが効率的に機能するためには、設置場所の広さや環境に応じた適切な馬力を選ぶことが重要です。設置するスペースに必要なおおよその馬力は、以下の計算式で求められます。
設置面積(㎡)× 基準熱負荷(W/㎡)= 冷暖房能力(kW)
メーカーやエアコンのタイプによって性能に多少の違いがありますが、一般的に業務用エアコンの1馬力で約11㎡の面積をカバーできます。例えば、20坪(約66㎡)の事務所や店舗であれば、6馬力のエアコンが推奨されます。
ただし、面積だけでエアコンの馬力を決定するのは適切ではありません。日当たりが良い場所や人の流入が多いところや飲食店など加熱調理機器具や電子機器など熱の発生源が多い場所などでは、標準的な馬力では不十分です。そのような環境では、より高い馬力のエアコンを選ぶようおすすめします。
また、エアコンの馬力が大きくなるほど設置コストや運転費用も増加しますので、最適な馬力を選びましょう。
面積に応じた業種別の馬力目安
次に、業種ごとに一般的に必要とされる馬力の目安をご紹介します。各業種によって必要なエアコンの馬力は異なります。以下は、業種ごとに必要な馬力の目安です。エアコンを設置する場所や利用状況に応じて、適切な馬力を選びましょう。
必要な 馬力 | 業種ごとの広さの目安(冷房時) | |||
---|---|---|---|---|
飲食店など | 理容室・美容室など | オフィス・病院など | 店舗・スーパーなど | |
1.5馬力 | 11~21m² | 14~17m² | 17~38m² | 22~25m² |
1.8馬力 | 12~24m² | 16~20m² | 20~43m² | 25~28m² |
2馬力 | 14~26m² | 17~22m² | 22~48m² | 28~31m² |
2.3馬力 | 15~29m² | 19~24m² | 24~53m² | 31~35m² |
2.5馬力 | 17~33m² | 22~27m² | 27~60m² | 35~39m² |
3馬力 | 22~42m² | 28~35m² | 35~76m² | 44~50m² |
4馬力 | 30~59m² | 39~49m² | 49~107m² | 62~70m² |
5馬力 | 38~74m² | 48~61m² | 61~133m² | 78~88m² |
6馬力 | 43~84m² | 55~70m² | 70~152m² | 89~100m² |
8馬力 | 61~118m² | 77~97m² | 97~213m² | 124~140m² |
10馬力 | 76~147m² | 97~122m² | 122~267m² | 156~175m² |
※上記の表は参考としてご利用ください。必要な馬力は建物の構造や用途、発生する熱量などによって異なります。適切な機種を選定するためには冷暖房負荷の計算が必要ですので、詳細なご相談は販売店や弊社までお気軽にお問い合わせください。
参考情報:業種別業務用エアコンの馬力の目安 | ダイキン工業株式会社
1.店舗など
例:店舗・スーパー・中規模マーケット・ショールーム・スポーツクラブなど
商店やスーパーのように人の出入りが多く、空気の流れが激しい場所では、パワフルな冷暖房能力が求められます。頻繁な開閉によって外気が入り込みやすいドア付近では空調の効きが低下しやすいため、快適な環境を維持するために、やや馬力が高い業務用エアコンがおすすめです。
そして、空調を利かせた空気が出入りの際に外へ逃げてしまうため、省エネ効率がよいエアコンを選んで設置場所を工夫するようおすすめします。
2.オフィス・病院など
例:オフィス・病院・薬局・銀行・学校・塾・老人ホームなど
デスクワークがメインの事務所や病院、学校では、パソコンやOA機器などから発生する熱を多少考慮する必要がありますが、比較的温度管理がしやすい環境です。通常の冷暖房能力で問題ありませんので、広さに応じて馬力を選びましょう。
3.飲食店など
例:レストラン・ラーメン屋・居酒屋・焼き肉屋・ファーストフード店など
飲食店では、調理場から発生する熱が大きな課題です。調理器具や料理そのものから発生する熱が空調に大きな影響を与えるため、通常よりも高めの馬力が求められます。特にお客様自身で加熱調理をする焼き肉屋やお好み焼屋の飲食店では各テーブルで熱が発生し、通常の馬力では不十分なことが多いため、より大きな業務用エアコンが必要です。
飲食店は新型コロナウイルスの影響で大打撃を受けた過去があります。感染症対策として換気が重要視されているため、予算に余裕があればエアコンと連動する換気システムの導入も検討してみましょう。省エネ型のエアコンや全熱交換器を活用した換気システムを導入するなら、換気をしつつ効率的で快適な環境を保てます。
4.理容室・美容室など
例:理容室・美容室・サロンなど
理容室や美容室では、ドライヤーやパーマ機など熱を発する機器が多いため、冷房の効果が弱まりやすいです。そのため、冷房能力を少し高めに設定して、やや大きめの馬力を選ぶようおすすめします。また、お客様が長時間同じ場所に座るため、エアコンの風が直接当たらないように工夫が必要です。
理容室や美容室では、ヘアスプレーの粘着性が高い成分や細かく切った髪の毛が吸い込まれてエアコンに大きな負担がかかり、故障リスクが高まりますので設置場所の考慮は必須です。
デザイン面では、天井に本体が埋め込まれて理容室や美容室のスタイリッシュな雰囲気を崩さない「天井カセット形」がおすすめです。さらに、理容室や美容室では匂いが気になるパーマ液やカラー剤なども頻繁に使用するため、脱臭フィルターや空気清浄機能が付いている業務用エアコンがよく選ばれます。
省エネ性能で選ぶ業務用エアコン
業務用エアコンの省エネ性は、各メーカーの優れた技術によりエネルギー効率の高いモデルが揃っていて、「標準省エネ」と「超省エネ」の2タイプに分かれています。
1. 「標準省エネ」モデル
「標準省エネ」モデルは、環境省が定めた「グリーン購入法」の基準を満たしたエアコンです。ほとんどのメーカーの機種が標準省エネ基準に適合しており、同じ馬力・形状の超省エネタイプと比べて、価格が抑えられている点が魅力です。
例えば、ダイキンの標準省エネモデルは「ZEAS(ジアス)」として知られていて、三菱電機には「スリムR」などがあり、各メーカーから選べる超省エネモデルが豊富に揃っています。
また、機種によっては、標準省エネの室外機の方がよりコンパクトで、スペースの限られた場所にも設置しやすい場合があります。
グリーン購入法は、国や公的機関が環境に優しいエコ製品に関する情報提供を促進して、消費者がエコ製品を積極的に購入するよう推奨する法律です。この法律により、国の機関や一般企業、消費者によるエコ製品の選択が促進され、持続可能な社会の実現を目指しています。 エアコンの選択にもグリーン購入法が活かされており、各メーカーは環境に配慮した製品を提供しています。
参考情報:グリーン購入法について|環境省
2.「超省エネ」モデル
業務用エアコンの大きな違いは消費電力です。「超省エネ」モデルは、「グリーン購入法」の基準を超え、さらに高いエネルギー効率を実現した製品です。これらのモデルは、「2015年省エネルギー法基準」をクリアしており、APFがより高く設定されています。 これにより、電力消費を大幅に抑えつつ、低温時でも優れた暖房性能を発揮。
さらに、天井カセット型などの室内機には、追加の省エネ機能が備わっている場合が多く、年間を通じて高い効率を発揮します。
APFはAnnual Performance Factorの略で「通年エネルギー消費効率」を意味します。APFとは、1年間を通してエアコンを使用した際の冷暖房能力のことで、1kWhあたりにかかる消費電力の効率(省エネルギー性能)を表す指標です。APFが高いほど、少ない電力で効率的に冷暖房ができることを意味し、省エネ性能を判断する大切な基準です。
業務用エアコンは、各メーカーからさまざまな省エネモデルが販売されています。例えば、ダイキンでは「FIVE STAR ZEAS」「ECO ZEAS」が超省エネモデルとして有名です。東芝では「ウルトラパワーエコ」、三菱電機では「スリムZR」「スリムER」が超省エネモデルとしてラインアップされています。
メーカー | 標準省エネ | 超省エネタイプ |
ダイキン | ZEAS | FIVE STAR ZEAS/EcoZEAS |
三菱電機 | スリムR | スリムZR・スリムER |
東芝 | スマートエコneo | ウルトラパワーエコ |
3.消費電力と価格の違いを考慮して決める
超省エネモデルを選ぶべきなのは、年間を通してエアコンを頻繁に使用する施設や店舗です。例えば、24時間営業の店舗やオフィスでは、長時間の使用により電力コストがかさむため、超省エネモデルが適しています。「超省エネ」モデルという名前の通り、より少ない電力で運転できて、消費電力を約10%削減できるケースもあり、電気代の節約効果を期待できます。
一方で、エアコンの使用が夏や冬の一時期に限られる場合には、標準省エネモデルがコストパフォーマンスの面で適している場合があるでしょう。また、超省エネタイプの価格は標準省エネタイプよりも高額な傾向があり、メーカーや機種によっては10万円以上の価格差がある点も考慮に入れます。どちらを選ぶべきか迷った場合には、お気軽にお問い合わせください。
エアコン設置後のメンテナンスの重要性
業務用エアコンはフロンガスを使用しているため、エアコン工事後も、定期的な点検が法律で義務付けられています。フロン排出抑制法に基づき、圧縮機定格出力の大きさに応じて3か月に1度以上の簡易点検、そして、1年または3年に1回以上の定期点検が必須です。
参考情報:フロン排出抑制法の概要|環境省
1. エアコンの故障による業務への影響を最小限に抑える
定期的な保守点検を実施すると、業務用エアコンの異音や異臭などの異常に早期に気づき、重大な不具合や故障を防げる場合があります。
特に夏や冬の繁忙期にエアコンが故障すると、オフィスでは業務効率が低下し、業務に深刻な影響が出る恐れがあります。店舗においては、快適な環境を提供できず、営業を継続できなくなるかもしれません。こうした事態が長引けば、業績や売上に大きなダメージを与えてしまいます。
さらに、故障が発生しやすいエアコン工事のピークシーズンには、修理業者にすぐ対応してもらえないケースも考えられます。故障による業務への影響を最小限に抑えるためにも、定期的な保守点検や分解洗浄を実施し、エアコンの故障を未然に防ぐことが非常に重要です。
2.定期的なメンテナンスでエアコンを長持ちさせる
業務用エアコンの保守点検は、故障や不具合を早期に発見し、迅速に対応するための重要なプロセスです。メンテナンスを怠ると故障の原因となり、修理費用が高額になるケースがあります。定期点検では、フィルター清掃や冷媒のチェック、機器の劣化具合の確認を行います。これにより、エアコンの性能を維持して長期間使用が可能です。
定期的なメンテナンスを行うと、エアコンの寿命を延ばし、効率的な運用が可能になり、省エネ性能を最大限に発揮させられます。施工後の定期的なメンテナンスにより、法律を遵守しつつエアコンの故障を防いで長持ちさせられるのです。
これらの点が、エアコン設置後のメンテナンスまで請け負ってくれる工事業者を選ぶのが重要な理由です。業務用エアコンの選定や設置後のケアについてご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。現地調査を行い、最適なソリューションをご提案いたします。
3.分解洗浄で汚れやカビを根こそぎ除去!
エアコンの「ニオイが気になる」「汚れが目立つ」「効きが悪くなった」と感じたら、分解洗浄が効果的です。プロの手でパーツを徹底的に洗浄し、エアコンを清潔に保ちます。
エアコン内部の汚れは外からでは確認しにくく、分解して初めてその状態が明らかになります。専門の技術を持つプロが一つ一つの部品を丁寧に取り外し、徹底的に洗浄。特に奥まった部分にある熱交換器は手作業では難しいため、高圧洗浄機を使ってフィンの奥までしっかり洗浄します。ドレンパンの汚れによる水漏れや排水ドレンの故障の原因にもなるカビや汚れをしっかり除去しつつ、エアコンの効きを改善し快適な空間を取り戻します。
分解洗浄の費用例(天井カセット形4方向吹き出しの場合/税別) | |
1台 | 30,000円 |
2台 | 55,000円 |
3台 | 80,000円 |
※以降も1台ごとに税別25,000円追加(ビルトインは+5,000円税別/台)
※2024年10月時点の工事費用です。変動する場合がございます。
- 1. エアコンの分解
- 内部の部品を丁寧に取り外し、エアコンを分解します。プロの技術が求められる工程です。
- 2.ホコリ・カビの除去
- 熱交換器に溜まったホコリ・カビを、バキュームを使って徹底的に取り除きます。ホコリが残っているとエアコンの性能低下や電気代の増加につながります。
- 3.内部のクリーニング
- 専用の洗浄剤で熱交換器の隅々まで洗浄します。
- 4.各パーツのクリーニング
- ドレンパンや排水ドレン・フィルターなどの主要なパーツも徹底的に洗浄。これにより、エアコンのニオイやカビの原因を取り除きます。
- 5.外装パネルの拭き上げ
- 最後に外装パネルを奇麗に拭き上げ、外観もピカピカに仕上げます。
- 6.組み立てと最終チェック
- すべてのパーツを元に戻して異常がないか点検し、動作確認(試運転)を行います。
業務用エアコン工事の流れ
- ステップ1:お問い合わせ
- エアコン工事に関するお見積りや現場調査のご依頼などを承ります。お客様のニーズに合わせた適切な提案を行うため、丁寧にヒアリングいたします。
- ステップ2:現地調査
- エアコン設置の現場や条件を詳しく確認。当社の専門スタッフが、お客様のスケジュールに合わせて現場に伺い、設置箇所の広さや構造、電力配線の状況を含む全体的な環境を確認します。SAディールでは追加工事や予算オーバーを避けて正確なお見積りを作成し、施工工事をスムーズに進めるために現地調査を重視しています。現地調査は無料で行っていますので、どうぞ安心してご依頼ください。
- ステップ3:お見積もりの作成
- 詳細な現地調査を基に、正確なお見積もりを提案いたします。調査で確認した内容とお客様のご要望を反映し、工事費用や業務用エアコンを含めた見積書を提出いたします。この段階まで料金は一切かかりませんので、ご安心ください。
- ステップ4:ご契約
- SAディールでは、お客様に無理な提案や押し付け営業は一切行いません。お見積もりにご納得いただけた場合のみ契約手続きを進めます。お客様のご予算やニーズに最大限寄り添った内容を心掛けています。
- ステップ5:工事を実施
日程を調整して工事スケジュールを組み、工事を開始いたします。工事当日は、施工エリアだけでなく、必要に応じて作業通路や資材置き場にも養生を行い、周囲の安全を確保します。
【冷媒ガスの回収】
法律に従い、既存の機器から冷媒ガスを適切に回収。また、撤去後に不要になったエアコン機器も法規に則って廃棄します。
(フロン排出抑制法の概要|環境省)【新規業務用エアコンの取り付け】
ご購入いただいた業務用エアコンを現場に搬入し、室内機および室外機の設置場所に合わせて最適な施工を実施。機器の設置後に配管工事や溶接、ラッキング(断熱材の取り付け)、そして、必要な電気工事を細心の注意を払って施工します。- ステップ6:冷媒の封入・試運転
- 配管が完了したら、冷媒を封入してエアコンが正しく作動するかどうか確認するために試運転を実施します。機器が正常に動作することを確認し、最終調整を経てお引渡しします。
SAディールが選ばれる6つの理由
業務用エアコンの取り付け工事において、SAディールが多くのお客様から信頼を得ている理由は、以下に挙げる6つのポイントに集約されます。これらの細やかな配慮が、エアコン工事でお客様から高い評価をいただく理由です。
1.各種業態に最適な機種をご提案
2.安心の主要国内メーカー対応
3.適正な料金設定で高品質の施工
4.広島地域密着の迅速対応
5.導入後も長期的に安心のサポート体制
6.エアコン工事以外に必要な内装工事等もワンストップで対応可能
1. 各種業態に最適な機種をご提案
業務用エアコンのタイプや性能はさまざまです。特定の設置場所に向いている業務用エアコンもあり、各種業態や個々の物件の環境に最適な空調設備を整えるためには、専門家としての豊富な知識と経験が必要です。
例えば、断熱性が高い素材の選定やエアコン配置の最適化により、無駄なエネルギー消費を抑えて省エネ効果や快適さを最大限に引き出せます。
2. 安心の主要国内メーカー対応
SAディールでは、安心の主要国内メーカー:東芝・ダイキン・三菱を取り扱っています。年式は問いません。各メーカーの特性を知り尽くした担当者が、最適な業務用エアコンをご提案いたします。
3. 適正な料金設定で高品質の施工
料金面でも安心してお任せいただきたいため、SAディールでは適正な料金設定を心掛けています。経験豊富な1人の担当者が一貫して正確な見積もりを行っていますので、担当者によって金額が変わったり、見積もりと請求額がズレたりせずに、安心してご依頼いただけるでしょう。
当社の工事スタッフは、エアコン工事に特化したプロフェッショナルで、高い技術力とスピードを誇っています。価格に見合った高品質な施工をいたしますので、安心してお任せください。業務用エアコン工事の見積もりや流れについてはこちらをご覧ください。
4. 広島地域密着の迅速対応
SAディールは、広島エリアに特化して担当者が直接お客様のもとへ伺い、スピーディーな対応を実現しています。 自社グループのスタッフだけで施工を行うため、全国展開の業者に比べて対応のスピードに違いを感じていただけるでしょう。
緊急のご依頼にも配慮して、できる限り迅速に対応させていただきます。ただし、夏の繁忙期はスケジュールが埋まりやすいため、現場調査や施工工事までお待ちいただく場合がございます。まずは早めにご相談ください。
※広島・中国エリア全域で対応可能です。
5. 導入後も長期的に安心のサポート体制
SAディールが選ばれる理由の一つは、エアコン設置後の徹底したアフターサポートです。導入後も定期的な点検やメンテナンスを通じて、長期的に安心してご使用いただける体制を整えています。
フロン排出抑制法に対応した点検やエアコンの寿命を延ばすためのご要望にも対応し、修理や内装に関わる設備のアップデートなど、あらゆるご相談に対応可能です。SAディールは業務用エアコンに関するすべてのフェーズでお客様をサポートします。
6.エアコン工事以外に必要な内装工事等もワンストップで対応可能
SAディールではエアコン工事のみならず内装工事も対応しております。店舗や厨房など複数の工事業者が必要とされる場合でも、SAディールならワンストップで対応できるので複数の業者とのやりとりは必要ありません。